お客様インタビュー(くにうみ醸造所 様)

2025年4月、くにうみ醸造所様(2024年4月にRO浄水機を納入)にお邪魔し、インタビューさせていただきました。

 

Q.宮下さんが醸造されているビールの特徴について教えてください

A.多賀の素材を使うということです。多賀の歴史を踏まえながら、多賀独自のストーリーがあるビールを作っています。多賀でとれた米やそば、樹木のクロモジを使っています。そばは玄そばを使用しており、こちらは麦芽のロースト香をさらに深める効果があるのでスタウト(ビールの種類・黒いビール)に取り入れています。

Q.ビールの作り方について教えてください

A.大麦麦芽(こちらは輸入がほとんど)をマッシング(ゆでて糖に分解、温度によって仕上がりが変わる)します。それをさらに加熱し、タンパク質を分離させたら上澄みだけをタンクに入れて麦汁が出来上がります。できた麦汁に酵母をいれて発酵させることでビールの完成です。エールビールという種類のビールは3週間ほどでビールになります。

Q.御社で醸造されているビールの消費期限や賞味期限はどれくらいですか?

A.消費期限は特にないのですが、賞味期限は約半年です。酸化してしまうと、狙った味と変わってしまうので、いかに酸素を含ませずに缶詰するかというところに投資しています。

Q.ビール造りの流れを教えてください

A.醸造は週に1回程度です。醸造が終わると発酵管理をしています。1週間~10日ほどで発酵が終わるのですが、酵母を取り除かないと酵母臭が付いてしまいます。発酵管理が終わると缶や樽に詰める作業をします。醸造、発酵管理、缶詰・樽詰めの繰り返しです。ほとんどこの流れです

Q.ネット販売などはされているのですか?

A.今は業者向けのネット販売のみです。そのほかは、さざなみ酒店かブリューパブシスルで販売しています。

Q.なぜ多賀で地ビールをしようと思ったのですか?

A.きっかけはコロナです。世界中で仕事があると思ってバーテンダーを始めたのですが、コロナになってから世界中でバーテンダーの仕事が激減してしまいました。カクテルの缶詰を販売するというのもあったのですが、こちらはお客様が限られてくるかなと。もともとビールを勉強していたこともあり、ビール作りなら人を呼ぶことができて、通信販売もできる、メーカーというのが一つの選択肢になりました。

Q.クラフトビールは奥が深く、種類もたくさんありますよね

A.そうですね、マッシングの仕方や温度の持っていきかたでも変わりますし、ホップの種類を考えるとクラフトビールは無限に作れるのですが、「なんでこういうものを作るのか」というストーリーをお客様に明確に伝えられるものづくりがしたいと思っています。多賀の歴史とかをお客様にもっと知ってもらうきっかけになるような、「だからそうなのか」というものを作っていきたいです。

Q.なぜ純水を使うのですか?

A.醸造の勉強をしたところがROの機械を使っていました。オーナーがオーストラリアの方なので、海外の醸造手法でビールを製造されていました。海外の醸造手法は、一度純水にしてから硬度を調整するというもので、クオリティの高いビールを作るために必要になってきます。ビアスタイル、各国でビールのスタイルが生まれるのかというと、その土地との相性がいいからですが、水の硬度が変わると、おいしいものはできても、すごくおいしいものはできないです。その土地の水を使って作るのが地のビールということは否定できないのですが、狙ったターゲットに向けて狙った味を作りたいと考えています。安定したものづくりをするためにRO装置を利用して純水を使っています。

Q.実際に自分の手で作ってみてどうですか?

A.ストレスの毎日ですね(笑)勉強している時は一つ一つのパートの研修、労働をしていて、通しでやっているわけではないです。通しでやっていないところから始めたので、繋がっていないところを補いながらするのが大変です。あとは衛生的な面ですね。菌がはいってしまうとだめなので、気を使っています。

Q.なぜ大洋産業を選んでくださったのですか?

A.地元を使いたいという想いからです。勉強していた醸造所からの紹介もあったのですが、地元で調べると大洋産業が出てきたのでお願いしました。

Q.特におすすめのビールを教えてください

A.今ですと今度ある古例大祭に向けて作った、春らしいジャーマンピルスナー・フリューリングです。キレはあるけど軽めの味わいになっています。軽いと言っても薄いわけではなくふわっとしています。

Q.立ち上げ~お店をするまでで困ったことはありますか?

A.苦労したのは輸入です。すべてが輸入で、タイミングが悪く円安の時期で大変でした。初めての輸入ということもあり、わからないことばっかりで苦労しました。あとは免許を取るのが大変でした。

RO水製造設備(1.4㎥/日)#Pure, #Low pressure RO, #0-50m3/day

弊社の装置がお客様のビール醸造における純水製造に貢献できていることを大変うれしく思います。

くにうみ醸造所様のビールはブリューパブシスル(くにうみ醸造所併設)かさざなみ酒店で販売されています。ぜひ、味わってみてください。

今後も、お客様のニーズにあった装置を提供し、お客様のものづくりを支援してまいります。

・くにうみ醸造所、ブリューパブシスル:滋賀県犬上郡多賀町多賀1322-28/TEL0749-47-3307